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「まあいいですよ。そんな幼稚な手を使ってまでやらそうとする、あんたの情けなさが気に入ったよ、何でもやりますよ」 「マジで?ありがとう!」 「で容疑者の心当たりぐらいあるんですか? あんたを殺したいほど嫌ってた人とか、あんたに消えてもらいたがってた人とか」 「それがいないんだよね」 「容疑者ゼロ?」 「まあそうなるね。いや私、本当マジでクソつまんない奴だったからさ、つまんない奴すぎて自殺なら有り得るんだけど、殺す価値なんかない虫ケラだったからね」 「じゃあ首吊り自殺でいいじゃねーか」 「いやいや、そこはさ、虫ケラにも三分の理って昔から言うじゃないの」 「そんなことわざねーよ。虫ケラ殺人の再捜査なんて、そんなクソつまんねーことやるのかよ」 「まあまあ、いいじゃないの。顔見知りの犯行の線でよろしく頼むよ。ポケットに財布があったのに取られてなかったからさ、物盗りの線はないよ」 「偽装殺人だから計画的犯行でしょうね。じゃああんたが死んで得をする人間は?」 「いないと思うよ。遺産があったわけじゃないし、誰も得も損もしてないと思うよ」 「ふーむ。まあじゃあひとまず、あんたの交遊関係周辺から洗ってみますよ」 「よろしく。それじゃあ私は、今日はこの辺でドロンしますから」 「昭和か!」
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