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「あなたに金を貸した闇金は法律が変わって摘発されるのを恐れ、すでに行方不明でした。つまり、あなたを殺した犯人の痕跡どころか、あなたの痕跡すら何もありませんでした」
「あの闇金潰れたのか、いい気味だな。てことは、もうちょっと生きてれば借金チャラになったのか」
「ただ、一人だけ、人伝てにですが、連絡をくれた人がいました」
「へえ、誰？」
「あなたに家族を皆殺しにされたという人です」
「私に皆殺しにされた？何だそれは？！」
「あなたは生前、ある家に押し入り、そこにいた家族を皆殺しにしたそうです」
「知らん、知らんよ、そんなこと！警察に疑われたことすらないよ！」
「勿論、その遺族の人があなたを疑っているだけですが、その人は長い間、ここ何年も入院している人です」
「だいたい、私が家族皆殺しなんて話はデマだよ！その長い間入院してる人ってのは、誰なんだい？」
「よくわかりませんが、入院してるのは精神科の閉鎖病棟でした。普通は会えない人なんですが、特別に面会を許され、お会いしたらそう話してました」
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