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「よかったんですか?」
「何が?」
用事があるからと言って、先に店を出た蓮に別れを告げた後、俺と辻は冷めきった飲み物を口にしながら、あえて隣同士に座ったままでくつろいでいた。
「彼とよりを戻さなくて、よかったんですか?」
「いいんだよ、元々そういうつもりで話をしたわけじゃないから」
「そうなんですか?俺はてっきり、手間が省けるから、俺を同行させたのかと」
「手間?」
辻の方を見ると、複雑そうな顔で空になったカップを眺めている。
「俺と終わらせる手間、ですよ」
「それはない。絶対ない」
即座に否定して、今度は俺の方から辻の手を握る。
「怜音さん?」
「……待たせてごめん。ようやく、けりが着いたから、言えるよ」
そして、一呼吸置いた後、真っ直ぐ辻の瞳を見つめて言う。
「朔弥、俺はお前が好きだ。俺と正式に付き合ってください」
告げた途端、満面の笑みが返ってきて、その笑顔に見惚れていると、素早く口づけられた。
「もちろん、 OK ですよ」
「ちょ、ここ喫茶店だから」
「じゃあ、俺の部屋に来ませんか?」
あの日を思い出して、笑いながら了承した。
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