閉じ込めた記憶

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児童養護施設であるすみれ園では、夕方になると帰ってくる小中学生の声で騒がしくなる。 玄関で靴を脱ぎ、7人の少女は、楽しそうにおしゃべりしながら洗面所へと向かう。 その中の1人に、園長は声をかける。  「六花ちゃん、少しいい?」 六花と呼ばれた少女は振り返り、なんだろうと首を傾げる。 「実は…」 そう言いかけて、周りの人の多さに気付き、口を閉じる。 「…ごめん、ちょっとここでは話せない。」 そう言うと、園長はクルリと六花に背を向けて、園長室へと入っていく。 不思議に思いながらも、六花は黙ってついていく。 すると、園長室の中には…
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