閉じ込めた記憶

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「…誰?」 年齢は十代後半~二十代前半といったところか。精悍な顔付きの男が、そこに立っていた。 「紹介するね。貴方の兄、月城優(つきしろゆう)さん。」 「えっ…」 兄?どうして?何故今になって?他の孤児院の子供は? 聞きたいことはたくさんあったが、それらを飲み込み、 「…それは本当なんですか?」 と聞く。 「ええ、本当よ。」 とキッパリ告げる。 その言葉は、中学一年生である六花の警戒を緩めるには十分すぎる効果があった。 「初めまして。貴方の兄、月城優です。」
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