どうして、こうなった?

2/7
前へ
/60ページ
次へ
「片岡君、ちょっと良いかな?」 夕方、外回りから帰社した、若田さんと同期入社の片岡君をつかまえた。 「若田さん、具合悪そうなんだけど、何かあったのか?」 「あー、ダイエットしてるらしいです。」 「うん?一体、どんなダイエットであんなに具合悪そうになっているんだ?」 以前からダイエットとはよく聞いたが、無茶な事はしてなかったはずだ。 「喰ってないんじゃないっすかね。」 「何だって、又そんな極端な事を始めたんだ?」 「あーーー、実は合コンみたいな飲み会があったんすよ。 その時のメンバーの言葉に傷ついたみたいで。 一週間前位の事ですかね。」 「傷ついた、って、何言われたんだ?」 「あーーーーーー。 言いにくいんですけど、まあ、酒の席のジョークだと思うんですけど。 そのう、つまり、ポッチャリ過ぎて立たない、みたいな。」 「は?!セクハラだろ、それ!!」 どこのどいつだ、そんな事、のたまる奴は! 「嫌、課長、俺じゃないっすからね! そんな、鬼の形相で睨まないでくださいよ!!恐いっす!」 「悪い。 で、何のメンバーだったんだ、それ。」 「問屋さんのセールスマンの中神さんが集めたメンバーっすよ。 頭の悪そうなマナーの悪いのが数人混ざってて。 若田さん、言われた時、雰囲気読んで笑ってましたけどね。 でも、その後からあんまり食べて無いっぽくて、俺、どうしたら良いかわかんなくって。 やっぱ、具合悪そうですよね。」 「俺が話して見るから、君はそっとしておいてやれ。 話してくれて助かった。有り難う。」 さて、どうしたものか。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

141人が本棚に入れています
本棚に追加