弁当男子

4/5
前へ
/60ページ
次へ
俺の趣味は、料理だ。 毎週金曜は家の近所のスーパーマーケットが特売なので、仕事も午後出勤だ。 社会人としては仕事を優先すべき、と思われるだろうが、俺がこの会社に入った条件として、社長に認めてもらっている。 毎日の食物がこの体を作ってると思えば、美味しく栄養のある物をしっかりと食べなければと思うのだ。 「ここ、お邪魔します。 ああ、お腹空いた。」 俺の向かいの席に若田さんが座る。 思わず彼女の昼食を見ると、コンビニの小さいサンドイッチと、パックの野菜ジュースだけだった。 「それで、足りるのか?」 思わず一言出てしまう。 「ダイエットと、節約を兼ねているんですよ。 何せ、まだ初給料貰ってませんからね。」 「、、、、、朝は何食べたんだ?」 「あー、ホットミルクですかね。」 「ーーー夜はどうするんだ?」 「もやし炒め?」 「具材は何を入れる?」 「もやし、かな。」 「ーーーーー。 ほら、肉食え。 鶏のササミだからヘルシーだぞ。」 ササミの黄身焼きを分けてやる。 こいつ、このままだと体壊すぞ。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

141人が本棚に入れています
本棚に追加