なぜ、こうなった?

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なぜ、こうなった?

初夏の暖かな夜、俺は居酒屋で悪友と飲んでいた。 「んで、その新人ちゃんの師匠になってる訳?」 笑いを滲ませて聞いてくる。 「まあ、師匠じゃないけどな。 弁当のおかずを余分に持って行って、作り方を喋ってるだけだ。」 そう、俺はあの若田ひとみを放っておく事が出来ずにいた。 ダイエットと称しては野菜サラダだけとか、野菜ジュースだけの昼食で済ませようとするのだ。 その度に、たんぱく質は大事だとか、カルシュウムも取れ、と言って少しでも食わせていた。 「相変わらず、お節介なやつだな。 まあ、気持ちも分かるよ。 何てったって、お前自身が体壊して懲りてるもんな。 まあ、そのお陰で俺の親父の会社も助かったけど。 会社、立て直してくれて有り難うな。」
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