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「いらっや~い♪♪♪」
包帯をグルグル巻きにしている矢上樹が出迎える。
樹はいわゆる出来婚で、うちの恵吾と同級生になった。
奥さんも気さくな人で、ひとみと仲が良く、家族ぐるみの付き合いになっていた。
で、こうして時々集まって楽しんでいるのだ。
「その包帯はミイラ男のつもりか?」
「まあね。
ても、ミイラ男じゃなくて、mummy と 呼んでくだされ!」
まあ、どっちでも良いがな。
「そういうお前は、吸血鬼か?
似合い過ぎ~!
夜な夜なひとみちゃんの血を吸っていそうだ!
エッロ~。」
「バカな事を言ってないで、さっさと中に入れろ!
恵吾とひとみが入れなくて困ってるだろうが。」
ひとみの血をなめて欲情したのは事実だかな。
健全なる家族計画に役立ったんだから、セーフだろう!
カボチャのかぶり物をつけた恵吾を見て、お兄ちゃんになったかな、と考えていた。
来年の今頃は家族が増えているかも知れないな。
まあ、自然任せだから、今のままの家族でも幸せだがな。
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