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もう、俺の事なんて忘れたかな…とか、あの人の仕事邪魔しちゃったのかな…俺みたいに給料引かれたりしてないかな?…なんてペットボトルを見る度に思い出してしまう。
体調も気持ちも少し落ち着き、明後日には退院できる事になった。顔を出した垣岡さんにも退院の事を伝えた。
「垣岡さん…あの、退院、決まりました…」
「そっか!良かったねぇ!そう、私も大事な話があるんだ…君のVAコーポレーションの退職が決まったよ」
「ーーーーーえっ?」
『退職』という言葉が頭の中を駆け巡る。馘首にされたって事だろうか…?
「それ、って……どう、いう事、ですか?」
喉が乾いて貼り付いて声が上手く出ない。垣岡さんは俺の背中に手を置いてゆっくり話し始めた。
「君は明らかに会社からパワハラを受けている。そんな会社に戻っても今度はもっと悪化させるだけだ…だからこのまま退職した方が君の為と判断してね…」
「でも…そんな、勝手に……」
だって、辞めてしまったら給料は?ただでさえ少ない給料でギリギリで生活していたのに…。それに仕事は?次の仕事を探さなきゃ……体調もこんななのに…
「勝手なのは申し訳無い。でも…きちんと話をして給料は全額、それに勝手に引かれていた分、出ていなかった残業代なども全て君に支払われる事になったから…」
「ーーー全額…ですか?」
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