3522人が本棚に入れています
本棚に追加
/642ページ
入社してすぐ総務部へ研修に出ることになった。凄く大変だったが1ヶ月研修して別の部署に異動していつかは憧れの営業部か商品開発部に行けると信じていた。
俺の夢は入社1ヶ月で砕けた。
社会人初めてのゴールデンウイークが終わって会社に行ったら辞令が張り出されていた。
【辞令】
代永 景都
以上の者は総務部への異動を命ずる。
話が違う。
研修時に言われたのは『研修をすれば希望の営業部か商品開発部に行ける様になるから、先ずは総務部の研修で会社全体の仕事を知って貰うよ。営業部や開発部は会社を支える大切な部署だからね』としか言われてない。
この1ヶ月慣れない仕事で凄く大変で辛かったけど、夢の為と信じて必死に働いた。
それなのに……なんで総務部に？
俺は納得がいかず、出社してきた総務部長の大石に食いついた。
「部長！俺が総務部ってどういう事ですか？話が違います！俺は営業部か商品開発部に行きたいって！その為の研修だって言ってたじゃないですか？」
この後の部長が言った言葉は今考えるとその場凌ぎの誤魔化しだと判るがまだ新卒で学生の勢いと夢に対する思いが残っていた俺はあっさりと信じてしまった。
最初のコメントを投稿しよう！