3517人が本棚に入れています
本棚に追加
ーーー今日は3連休の初日。
特に予定の入っていない俺は、録画しておいたドラマや映画を1日中ぼーっと眺めていた。
前の仕事の時は家に居る時間より職場にいる時間の方が圧倒的に長かったので、殆どテレビは見ていなかった。
それでも取り敢えず気になるドラマや映画は撮り溜めておいて休みに見ようとしていたが、実際は余りにも疲れ切ってしまって見る気にもならず、データばかり増えていった。
今も見ているのもかなり昔のドラマだ…せっかく録ったので観ている…といった感じで画面を眺めていた。
そんな時、スマホのバイブレーションが着信を知らせた。画面には【着信 天野 文晴】と出ていた。
滅多にかけてくる事のない珍しい相手からの電話にテレビのボリュームを下げた後、通話ボタンをタップした。
「もしもし…」
『代永先輩!お久しぶりです。天野です』
「あぁ…久しぶり…」
天野は大学時代の2学年下の後輩だ。
俺の通っていた大学では、下級生が上級生のゼミの研究や卒論の手伝いをする事がよくあった。
そうやって色んなゼミや教授を見てから自分が上級生になった時にゼミ選択の参考にするのだ。結局、天野は俺たちと同じゼミを取った…。
天野は俺たちのゼミの手伝いをしてくれてから、何故か俺たちに懐いてきて時々つるむ事があった。
よく天野がバイトしていたコンビニにも遊びに行ったりもしていた。
いきなり『家庭教師のバイトする!』って言ったのに、何故かすぐ登録を取り消してコンビニでバイトを始めたり…普段は事なかれ主義なのに、一度火がついたら即行動するタイプで突き進みすぎる所がある…
確か、恋人も一緒にバイトしていたが…あれからどうなったのだろう?
卒業してからは殆ど天野のいるコンビニには行かなくなってしまった。それ以来だから約2年振り…といったところか…。
最初のコメントを投稿しよう!