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「どうした?急に電話なんて…」
『この間、新田先輩と話してて…久し振りに林先輩や代永先輩と遊びたいって話になったんですよ!』
新田と林は俺の大学時代の同級生だ。良くこの3人でつるんで行動していた。
卒業後も新田や林とは会ってはいないが連絡は取りあっていた。しかし、俺の仕事が大変になって段々と疎遠になってしまっていた…。
最後に連絡を取ってどれぐらい経っているのか、覚えていない…
「そういえば、天野は特に新田と仲良かったな…」
『はい。新田先輩とは時々卒業後も連絡取っていたんですよ…それで、今度新しく出来たショッピングセンターに皆んなで行こうって話になって…』
「ショッピングセンター?そんなの出来たんだ?」
人の多い所は得意じゃない…出来れば行きたくない。断ろうかな…と思っていたのだが…
『本当、代永先輩ってそういうの疎いですよね…林先輩は新田先輩から連絡取ってOKらしいんで、オレから代永先輩に電話したんですよ!!ねっ!一緒に行きましょう!そこ最新のVRゲーム機あるんですよ!』
『最新VRゲーム機』と聞いて少し心が動いた。大学時代よく新田や林とゲーセンに通っていた。
不覚にも『久し振りに皆んなでゲームするのも良いかな…』と思ってしまった。
どうせ『ゲームがあるからと言え』と新田が余計な知恵を天野に吹き込んだんだろう…。
「疎いは余計だ……で、時間と場所は?」
『明日なんですけど…11時に大学前です。大丈夫ですか?』
「分かった。明日11時に大学前な」
『はい。じゃあ!待ってますね!また明日!』
天野はそのまま電話を切った。ロック画面に戻ったスマホを机に置いて落としていたテレビのボリュームを元に戻した。
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