休日

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しかし、直ぐにテレビを消し明日の準備を始める。私服などは仕事をしてから無頓着になってしまったが、久し振りに会う友人達の顔を思い浮かべながら明日着る洋服を探してみる。 「ホント…卒業以来だな…みんなどうしてるんだろう…」 昔の楽しかった頃を思い浮かべて、自然に笑みが溢れる。今日は不安感よりも期待感の方が強い。こういう日がくるのは本当に久し振りだ。 3人に会えるのを楽しみにしつつ少し早いがスマホのアラームをセットし眠りについた。 家から電車とバスを乗り継いで2時間ぐらいの場所に俺たちが通っていた大学がある。 大学行きのバスを降り正門に向かって歩いて行くと、どう見ても学生ではない人が立っていた。どこかキョロキョロしているその人に声をかけた。 「新田…久し振り…」 「おおっ!景都(けいと)!!久し振りだな!卒業以来か?」 俺を見つけた新田が駆け寄り俺にハグをする。新田は当時から凄く明るくて活発でムードメーカーみたいな存在だった。 「新田は相変わらずだね…仕事は良いの?3連休休んで?アパレルって忙しいんじゃ…?」 「忙しいけど、有休も消化しなきゃいけなくてよ…ウチみたいな外資系のアパレルは特に休日取れってうるさいよ…売上目標とかスタッフ管理とか色々大変だけど、楽しいよ!!」 新田は学生時代からファッションのセンスも良く、外資系のアパレル会社に就職した。後で聞くと今は店長になり、店を任されているらしい。 「そう言う景都はどうなんだよ?確か、雑貨とかの会社だっけ…?」 「うん…でも、色々あって…転職したんだ」 「マジで!?それ詳しく聞かせてよ!!!」 「みんな来てからね…同じ事何回も話すの面倒くさい」 「相変わらずだね…そういう面倒くさがり屋なトコ!…ってかちょっと暗いぞお前…」
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