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新田に言われドキッとする。新田は意外に人の事を良く見ている…学生時代から表情や行動を良く見ていて、ちょっとした変化も見逃さない。
「そ、そうかな…久々に会って緊張してるんだよ。だってあんまり連絡も取ってなかったから…」
「そっか?確かにお前凄い忙しそうだったもんなぁ…」
「ははっ、そうそう!」
乾いた笑いで誤魔化しながら話をしていると、こちらに向かってくる人影が見えた。
「おっ!天野じゃん!!おーい!天野ーーー!!」
新田がぴょんぴょん飛びながら手を大きく振っている。それに気付いた1人がこちらに向かって走ってきた。
「先輩!お待たせしました!代永先輩も。お久しぶりです!」
走って来たのは後輩の天野 文晴だった。
「悪いな天野。バイト大丈夫だった?」
「全然!その代わり明日入るんで大丈夫です」
「えっ?バイトって…?卒業して働いてるんじゃないの?」
「俺、まだあのコンビニでバイトしてるんですよ。今、専門学校行ってるんで…」
そう言った天野の表情は明るく、なんだか眩しく見えた。
学生の時は短髪でどこにでもいる普通の学生…という印象だったが、今じゃ少し長めの髪を後ろで束ねて縛っている。少し編み込んでみたりして、学生の頃と比べると随分あか抜けて見える。
服装もオシャレに磨きがかかっている…という感じだ。元が結構美人だから読者モデルのようだ…。
「専門学校?卒業したのに?」
「はい、今ファッション系の専門学校に通ってるんです」
天野は色々と近況を教えてくれた。
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