休日

5/16
前へ
/642ページ
次へ
新田に言われドキッとする。新田は意外に人の事を良く見ている…学生時代から表情や行動を良く見ていて、ちょっとした変化も見逃さない。 「そ、そうかな…久々に会って緊張してるんだよ。だってあんまり連絡も取ってなかったから…」 「そっか?確かにお前凄い忙しそうだったもんなぁ…」 「ははっ、そうそう!」 乾いた笑いで誤魔化しながら話をしていると、こちらに向かってくる人影が見えた。 「おっ!天野じゃん!!おーい!天野ーーー!!」 新田がぴょんぴょん飛びながら手を大きく振っている。それに気付いた1人がこちらに向かって走ってきた。 「先輩!お待たせしました!代永先輩も。お久しぶりです!」 走って来たのは後輩の天野 文晴だった。 「悪いな天野。バイト大丈夫だった?」 「全然!その代わり明日入るんで大丈夫です」 「えっ?バイトって…?卒業して働いてるんじゃないの?」 「俺、まだあのコンビニでバイトしてるんですよ。今、専門学校行ってるんで…」 そう言った天野の表情は明るく、なんだか眩しく見えた。 学生の時は短髪でどこにでもいる普通の学生…という印象だったが、今じゃ少し長めの髪を後ろで束ねて縛っている。少し編み込んでみたりして、学生の頃と比べると随分あか抜けて見える。 服装もオシャレに磨きがかかっている…という感じだ。元が結構美人だから読者モデルのようだ…。 「専門学校?卒業したのに?」 「はい、今ファッション系の専門学校に通ってるんです」 天野は色々と近況を教えてくれた。
/642ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3520人が本棚に入れています
本棚に追加