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「代永くん。君の行きたい部署は会社を大きく支える部署だ。それにはまだ君の経験値が足りない。総務部は商品や人材の管理など下支えになる部署だよ。商品全部を把握する為にも総務部での経験は必要だ」
その場しのぎで言っていた言葉を信じてしまい、俺は総務部への異動を受け入れてしまった。
下支えなんて綺麗事言っているが、実際はただの倉庫管理だ。莫大な商品の量を管理してショップや取引先にひたすら梱包して送り出す。時間も関係なく遠慮なく送られてくる発注書を見て在庫をパソコンで確認する。おかしな注文があれば電話でいちいち確認する。
商品が膨大でパソコンとの誤差が出る事も多く、その度に倉庫に行って数を確認する。パソコンの管理なんてほぼ無意味だ。何故ここまで合わないのか意味が分からない。
まだまだ仕事に慣れないのに、部長から言われた言葉は余りにも理不尽だった。
「もう、研修も終わってるから一通り仕事わかるよな?これからは一人で全店発注管理しろよ」
発注管理なんて俺が来るまでベテランのパートや派遣社員が数人がかりでしていた仕事だ。それを新人の正社員俺一人で全部しろ…と言ってきた。流石に無理だと大石部長に懇願した。
「こんな膨大な量は無理です!せめて半分にして下さい!それか後2人は付けて慣れるまで期間を下さい!」
「ダメだ。出来ないと営業部への異動はないぞ」
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