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「うわぁぁぁぁん!!!パパぁ、ママぁ!どこぉぉ!!うぅ…ぇええん!」
大声に気付いた3人が子供の周りに近づく。ぶつかってきた子供は3~4歳ぐらいの男の子だった。
「ありゃ…怪我はない?」
「迷子…ですかね…?」
「ボク…パパとママは?一緒に来たの?」
子供の扱いに慣れている林が男の子に聞く。
「ぅうんっ!…パパとね!ママとね!一緒に来たの!…でもねっ…ゲームで遊んでたらねっ…パパとママ居なくなっちゃったのぉ…うっ…えっ…ん」
「良く言えたね!」
林が男のコの頭を撫でて宥める。少し落ち着いたのか、大声で泣かなくなっていた。俺たちも周りを見回してみたが、子供を探している様子の大人の姿は見えなかった。
「この子どうする?」
「取り敢えず、インフォメーションに連れて行くのがいいだろうな…よし!パパとママに『ここに来てぇ』って呼んで貰おうか?ボク、名前は?」
「たつき!4さい!!」
たつき君は数字の4を手で示した後、林の手と何故か俺の手も一緒に握った。
「お兄ちゃん…さっきはごめんなさい」
「……良いよ。たつき君に怪我がなくて良かった」
最初にぶつかって来たのを自分から謝るなんて、小さい子なのにしっかりしてると感心した。
「ごめん…新田、天野。先に、フードコートで待っててくれるかな…?」
「了解!席とっとくわ。行くぞ天野」
「はい。気を付けて行ってきてくださいね。たつきちゃん!バイバイ!!」
俺と林はたつき君の呼び出しをしてもらう為にインフォメーションへ、新田と天野はフードコートへとそれぞれ向かった。
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