慰労会

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「でも、終わったら『慰労会』が待ってるから皆んな頑張れるんだよ…代永も参加するだろ?」 「参加?何のこと?」 小宮の耳から聞きなれない言葉を聞く。 「あぁ、『慰労会』っていうのはいわば部署内でする『決算乗り越えてお疲れ様会』みたいな感じだな。参加は自由だけど、殆ど部署の皆んな参加するんじゃないかな…何せタダで美味いもん食べ放題、飲み放題だからな!!」 「そうなんだ…」 前の職場は業務後の付き合いなんて一切なかった。それどころかプライベートでの接触、特に退職した人との接触…例えばランチや食事を一緒にしていたなんて知れると制裁の対象になっていた。 不満分子を増やさない様に…という事だろう。 だから、こういう仕事仲間との飲み会とかは初めてで…どうしようか悩んでいた。 今までなら『絶対に断ろう』と思っていたが、今は『どうしよう』と参加することも検討している。 新田や林、天野達と会ってからほんの少しだけ前向きになれた気がする…。 「どうしよう…そういうの参加したことなくて…」 「なら、絶対行こうぜ!楽しいからさ。もし辛くなったら俺がついてるから…」 小宮は入社日に気分を悪くしてしまってから俺の事を気にかけてくれている。 この前、久し振りに頭痛と吐き気がして薬を飲んでいる所を見られてしまってからは更に気にかけてくれるようになった。 「う、うん…じゃあ…行こう、かな…」 「よし、代永も参加決定!代永入って歓迎会とかも出来てなかったから丁度良かった!」 小宮は立ち上がり俺が食べていた唐揚げを一つ取って自分の口に入れてしまった。 「あっ…俺の…」 「今度返してやるよ。俺、休憩終わるから先行くな」 そう言って部署に戻る小宮の姿は少しだけ元気を取り戻した様でホッとした。俺も残りの昼食を急いで摂ってから部署に戻った。
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