慰労会

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慰労会

月が変わり、会社全体が何だか慌ただしい雰囲気に包まれていた。 「代永!それ終わったらこっち手伝ってくれる?」 「あっ、ハイ!分かりました!」 「代永クン、これ総務に持って行って」 「後でいきます!!」 仕事をする皆についていこうと必死の状態だ。吐き気や頭痛は薬の作用をほんの少しだけど弱い薬に変える事が出来た。 薬は増える事があっても、減薬は意外と難しい。少しでも減薬できたのは本当に良かった。 他の人との会話や仕事も忙しいけど普通にできるようになってきた。それでも、部長と俺の距離感は変わらず広がったままで一向に縮まる事はなかった。 胸の痛みは相変わらずあったが、忙しさのせいで気付かないフリをし続けた。 いつもよりかなり遅い休憩を取る。社食に行くといつもと雰囲気が違う…周りを見渡すとどこか皆疲れた表情が出ていた。 日替わりの唐揚げ定食を受け取って先に休憩していた小宮と合流する。小宮も目の下に薄っすらと隈ができていた。 「小宮…大丈夫?疲れが顔に出てる…」 「持ち帰りで仕事もしてたから…。今月さえ乗り切れれば何とかなる…」 「そう、何で今月こんなに忙しいの…?周りも何だか疲れてる雰囲気が…」 「そっか…代永は初めてだったもんな…」 小宮がお茶を一口飲んで大きく溜息をつく。 「決算月だからだよ…売り上げが確定できるものは売り上げを出しておかないとまずいからな。別にウチはノルマとかは厳しくないけど、流石に結果出さないと昇給とか今後に響くからな…」 「なるほどね…」 「まだ俺らの部署はマシな方だぞ。総務部と経理部なんてホント修羅場…株主総会も控えているしな…」 チラッと小宮が周りを見渡す。疲れているのは総務や経理の人間が多いらしい。
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