3514人が本棚に入れています
本棚に追加
/642ページ
出会い
駅を降りて会社までの道程を重い足取りで進んでいく。
今日は一段と足が重い。吐き気と頭痛がいつもより強い。それでも一歩でも進まないとと思い一歩足を踏み出したが…
「ーーーーーっ！」
着いた足には身体を支える力がなく身体がぐらっと前に倒れていく。そして…
ドサッ！
と音を立てて俺の身体は崩れ落ちてしまった。立とうと思っても手足全ての力が奪われ身体を支える力がない。動かそうとしても吐き気と頭痛が身体を動かすのを拒否する。
歩道の端を歩いていたのでまだ助かった。他の人の邪魔にならない様に植え込みに身体を何とか這わせて座り込んだ。
「ヴッ！！！」
突然猛烈な吐き気が襲い植え込みに嘔吐する。ハンカチと取り出し口元を拭うが何度も嘔吐いてしまって動けない。
前を通る人たちは吐瀉物の臭いを避けるように俺を避けてそれぞれ会社に向かって歩いていく。時々『二日酔いか？』『ココで吐くなよな…』という言葉が聞こえてきた。
最初のコメントを投稿しよう！