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ーーーーーーーゴモゴモゴモゴモ。
土から這い出たのは冬眠から覚めた黒髪おかっぱ頭で和装を身に纏った少女ゾンビだった。
「あれ?ゾンビメイドちゃん200年ほど見ないと思ったら冬眠していたの?」
庭の手入れ中の狼男が花壇の一角から突然現れたゾンビメイドちゃんにそう言うと首をかしげた。
どういう訳か狼男の事が解らない様子だった為、ゾンビメイドちゃんに色々話しかけるがピンと来ない様子だった。
その時、植え替えたばかりの花壇から再びゾンビが土から這い出してきた。
「え!ゾンビメイドちゃんが二人!!!」
出て来たのもゾンビメイドちゃんであった。しかし、後から出ていたゾンビメイドちゃんはマンドラゴラァを丸かじりしながらフランクに手を上げて来た。
「え、そっちがゾンンビメイドちゃん?じゃあこの子は」
目の前にいるゾンビメイドちゃんそっくりなゾンビちゃんは、ゾンンビメイドちゃんの話によると、何か寝てる間に間違って増えたらしい。
「じゃあ妹って事かな?これからよろしくね、俺狼男ってんだ解らない事は何でも聞いてね」
そう言い差し出してきた手に、妹ちゃんは鼻くそを付けて返した。
「めっっ!!!」
珍しくゾンビメイドちゃんが声を出して妹を怒ったかと思ったその時、ドラキュラ伯爵がやって来た。
「あれ!ゾンビメイドちゃんが居る!それも二人も!拙者の為に分裂するなんて憂い奴め」
ゾンビメイドちゃんは唾をかけ、妹は鼻くそをドラキュラ伯爵に投げつけた。似たもの姉妹であった。
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