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母と手を繋ぎながら歩いていると 母は近くの川にかかる通称「めがね橋」の前でふと立ち止まった。 「(ひびき)、今日はね、このめがね橋にいい人が来るよ。」 母の目は橋の向こう岸を向いている。 しばらくすると、橋の向こうに人影が見えた。 よく目を凝らしてみると、そこには男の人が立っていた。 つば広帽を目深に被り、カーキ色の日除けのストールをマントのように羽織っている。 僕は怖くなって、母の後ろに隠れて、母のスカートをぎゅっと握った。
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