0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
わたしは恋を知らない
たぶん知らなかった
「好きな人」
と言われて思い浮かぶあの人を
友達に告げたことはなかった
それは恋じゃないよ
と言われるに決まっているから
でも
今打ち明けるなら
あれは恋だったよ
紛れもなくわたしの
初恋だったよ
はじめて目があった時の歓喜
あの人の一生のうちの
ほんの少しを
わたしはもらったんだよ
あの人の瞳が別のところへ向いていても
気にしないわたしでは
いられなくなって
これが恋なのかって
今までしたこともなかったのに
はっきりと気づいたの
もしこれが
友達が言うような
「恋」じゃなかったとしたら
誰かこの感情に名前をつけて
こっそりとわたしに教えてほしい
最初のコメントを投稿しよう！