ちかといいます

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都内の会社に勤める佐藤さん(女性)の話。 その日佐藤さんは午前中のミスがたたり仕事がはかどらず、遅くまで残業をしていた。 やっと仕事を終えた頃、時計に目をやると11時を少し回っている。 流石にこの時間まで残業をしている者はなく、広いオフィスには佐藤さん独りきりだった。 パソコンの電源を落とし、速やかに帰り支度をして、出入口ドアの横に設置されたスイッチで照明を落とすと同時に、 トゥルルル、トゥルルル、とオフィスの電話が鳴ったそうです。 常識的に考えてもこの時間帯に電話してくる取引先はいない、恐らく間違い電話だろう。佐藤さんは無視して帰ろうと一旦は思った。 しかし、鳴っている電話に出ないのもなんだか気持ち悪い、佐藤さんはすぐすむだろうと照明は点けず暗いオフィスの中、着信で明滅している電話機に向かった。
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