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銀のスプーンをくわえながら感想のご報告。ちょっとじゃがいもがくずれてるかもしれないけれど、それがなお美味しい。
「なに、俊英さんに?」
水になりかけのさらさらのカレーを掬って、これがまた好きなんだけどなんて思いながら、何気なくカナに話題を振ってみる。
「うん。最近は夜も遅くてちゃんとご飯食べてないんだって」
スプーンをくわえて遠くを見つめる姿なんてもう恋する乙女だ。
「今日、会ったわよ」
にんじんがかりっと音をたてた。なかなかいい歯ごたえだ。
「え、うそ!! どこで?」
「花屋さんで」
俊英さんは、必殺花屋の運び人だ。そういうとカナには怒られるけど。
ご贔屓の花屋さんは帰りのちょっと荷物が多いOLやらベビーカーをお供に連れたお母さん方なんかにすごーく優しい。帰りにちょっと目がついて、そういえば玄関のお花替えようかしら、とか、新しいお花を植えたいわ、なんていう突発的な願望にもお答えするべく、希望の時間にお花を届けてくれるサービスがある。他にも、最近なぜだかお花の元気がないのよね、とか、ちょっとガーデニングとか興味あるけど難しそうだわ、なんてお客さんには花のエキスパートたちが出向いて花の育て方の注意やガーデニングの仕方まで教えてくれる出張サービスなんかがある。
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