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 セルフレジを使って会計を済ませた僕は帰ろうとした。  すると、外のベンチで具合が悪そうな男の人を発見した。僕は放っておけず、声をかけにベンチまで急いだ。 「あの、大丈夫ですか?」  男の人の顔色は悪い。となりに置かれたエコバックの中からは大量のトマトが詰め込まれているのが見えた。持ったら重そうだ。  男の人は僕を一瞥すると、大きく息を吐いた。 「すまないね……。久しぶりに日中を歩いたら気分が悪くなってしまって」 「大丈夫ですか? 誰か人を呼びましょうか?」 「……いや、それには及ばないよ」  男の人は、力無く笑った。が、目の奥は、いつも僕が見ている彼らの存在を思い出させた。まさか、この人……! 「君には、私の姿が今も見えているんだね」 「は、はい……」 「じゃあ、悪いけれど、どこか休める場所まで案内してほしい。たとえば……君が営業している美容院とか」 「……!」  男の人は、ふらふらと立ち上がると、僕を促した。やっぱり! この人もあやかしなのだ! 「悪いけれど、そのカバンを持ってくれると助かるよ」 「分かりました。では、ついてきてくださいね……。歩けますか?」 「大丈夫だよ……。さあ、行こう」
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