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うちがマゴマゴしとるあいだに、思わぬライバルが出現しましたんや。
威さんが勉強教えてくれはったり、夕ご飯をいっしょに食べとることが、さなちゃんと、まきちゃんに知られてしもたんどす。
「みやちゃん、ズルイわ! うちらもよせてぇな。さなちゃんも、そう思うやろ?」
「そやなぁ。威さんには、うちらも教えてもらいたいなぁ」
ほんで、勉強会に、さなちゃんと、まきちゃんも来ることになりました。
まきちゃんは、うちと同じで、おぼこいからええんやけど、さなちゃんは美人で大人っぽいから、威さんのあつかいが、うちらとは違うようでした。
あるとき、二時半になっても威さんが来えへんかったんどす。三時に風呂屋があくんやから、なんぼなんでも遅いなと、長屋まで行ってみたんどす。
長屋のなかから、威さんの声が聞こえます。
うちは戸をあけようとして、ハッとしました。
威さんの声にかぶさって、もう一つ声が聞こえるやないの。
さなちゃんの声や!
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