むむむ、胸に穴が…

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気になって気になって、会うたんびに、じいっと胸ばっかり見とるんよ。 威さんはノッポやし、うちの目の高さが、ちょうどまた胸の穴んとこに来るんよね。 そしたら、今日、その穴んなかにな。おったんよ……。 小さい女の人が。 優しそうで、儚げで、ちょっとさみしそうやけど美人どす。 うちとは正反対のおとなしそうな大和撫子。 うちと目があうと、恥ずかしそうに笑うて、まつげをふせたん。 むう。キレイな人や。 この小人、なんなん? 番台にすわる威さんの胸(のなかの女の人)を見つめとったら、ハハハっと、とうの威さんに笑われてしもた。 「みやちゃん。風呂、入らないの? さなちゃんや、まきちゃんは、もう入ってるぞ」 ハッ! 変に思われたんやろか? でも、変なんは、うちやないやろ? 威さんのほうえ。 「うち、試験が近いから考えごとしとっただけえ」 「そう? おれが、いい男だから、見とれてるんだと思った」 うちは、なんだか顔が熱くなりました。 威さんは大人やから、きっと、これまでにも、ぎょうさん女の人と遊んできたんやろな。 うちのことなん、まったくの小娘あつかい。 こんなふうに手玉にとられると、腹立たしいのと悔しいので、胸のなかが、わやくちゃになるんよ。 「威さんなんかキライ! イケズ!」     
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