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そして、ナイフをクレイモに突き立て
ようと振り上げる。
その時、槍が風を切り、チェルのナイ
フを弾き飛ばす。
月明りに輝く甲冑、槍を持ったレイン
がチェルを鋭い眼光で刺す。
チェル、動けない。
レイン「落とし物でも探しに来たか、少年」
チェル「あ、あ……」
兵士達が駆けつけ、チェルを囲む。
レイン「理由を言いたまえよ」
チェル「あ、その……」
レイン「待て! 答えによっては、処罰せね
ばならんから、慎重にな」
チェル「そ、その……好きな人が居て……」
レイン「何?」
チェル「好きな人がいまして…」
レイン「ほう! ご婦人の為か!」
チェル「その人が、そういう関係になりたい
ならクレイモを一匹倒してこいって……僕、
まだ一匹も倒した事無いので……」
レイン「(笑って)そういう関係か。なるほ
ど、つまり君は男になりに来たわけだね」
チェル「一匹でいいんです!」
レイン「私も愛する女性の為にこの槍を取っ
た。故に男として気持ちは分かるが、騎士
として任務は全うせねばならん」
チェル「……そんな」
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