一話 チェル・チェリーボーイ

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    そして、ナイフをクレイモに突き立て     ようと振り上げる。     その時、槍が風を切り、チェルのナイ     フを弾き飛ばす。     月明りに輝く甲冑、槍を持ったレイン     がチェルを鋭い眼光で刺す。    チェル、動けない。 レイン「落とし物でも探しに来たか、少年」 チェル「あ、あ……」     兵士達が駆けつけ、チェルを囲む。 レイン「理由を言いたまえよ」 チェル「あ、その……」 レイン「待て! 答えによっては、処罰せね  ばならんから、慎重にな」 チェル「そ、その……好きな人が居て……」 レイン「何?」 チェル「好きな人がいまして…」 レイン「ほう! ご婦人の為か!」 チェル「その人が、そういう関係になりたい  ならクレイモを一匹倒してこいって……僕、  まだ一匹も倒した事無いので……」 レイン「(笑って)そういう関係か。なるほ  ど、つまり君は男になりに来たわけだね」 チェル「一匹でいいんです!」 レイン「私も愛する女性の為にこの槍を取っ  た。故に男として気持ちは分かるが、騎士  として任務は全うせねばならん」 チェル「……そんな」     
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