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そこまで考えた思考が中断する。排水溝から引き上げられた物体のように、腐った臭いが鼻をついたからだ。
どんどん、臭いは強烈になる。心臓が跳ね上がる。手を振っていた、警官の顔も蒼白になっていった。
臭いの元が、二人のすぐ後ろ、丁度真ん中に位置する場所にいる事は、すぐに分かった。
あまりにも、ひどい臭いに鼻がもげそうだ。
二人の間を掻き分けるように、第三者の両腕が真っ直ぐに伸ばされる。
二人は見てしまった。肉はただれ落ち、骨がうっすらと見える。指先には、うじのような物も湧いていた。
目の前にいた、警官はとっくに逃げ出していた。自分達は、足が歩道にへばりついたかのように動き出せないでいる。
うじをぼとぼとと、落としながら、二人の肩を叩く。背後からこの世の者とは思えない、声が響いてきた。
「今まで、僕と一緒に遊んでくれてありがとう。これからも、よろしくね」
日はとっくに落ちており、気温も下がっていた。しかし、二人はとめどなく溢れる汗を拭う事が出来ない。
自分達の意思とは反発し、震える足取りで、また、遊び場へと向かって行った。
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