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「そうね……ある意味、そうなるかもしれない。でもね、ハナコのお母さんは別に誰かを殺したいだとか、本当に死ねばいいだとかは思ってなかった。ハナコが受けたような虐めが繰り返されないように。ハナコのように自殺する子供が増えないように……そんな意味も込めていたの。だって子供って、口で言い聞かせても、その場は素直に頷き理解したような顔をした次の瞬間からすぐにソレを忘れちゃうでしょ? だから、【恐怖】というエッセンスを付け加えてチェーンメールにしたの」
「なら、チェーンメールそのものには、やっぱり呪いの効果なんてなかったわけだ」
「じゃあ、なんで皆どんどん死んでいくのよ?」
呪いがないとなれば、対処のしようもない。
焦りだす三人を見た長屋は大きく息を吐いた。
「話は最後まで聞くものよ」
やけに落ち着いた声が響く。
三人は皆、長屋へと視線を向けた。
全員の意識が自分に集中したのを確認した長屋は「母親には悪意がなくても、悪霊となったハナコの呪いを広めるキッカケをつくってしまったのは確かよ……」と疲れ切った顔をした。
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