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まさかの告白に一同は皆、沈黙し固まった。
そんな中、英恵だけが、この部屋にくるまでの間に見た、リビングの写真を思い出してた。
“あれは遺影だったんだ……”
不幸からはかけ離れた太陽のように輝く笑顔。
死は平等に訪れるというけれど、決して平等ではない。
自業自得の場合もあれば、まだまだ若いのに突然死ぬこともある。
将来を夢見ていたのに挫折をする者もいれば、不運な事故で死ぬ者。
自殺をしようとして、他人を巻き込み、自分だけが助かる者。
早く死にたいと喚くくせに平均寿命よりも遥かに長い時間を生きながらえている人だっている。
世の中は理不尽だ。
なんとも言えない気持ちを抱えつつも、ハナコの悲劇。
そして、ハナコに対し、心無い言葉を投げつけ、死に追いやった者達の犯したツケが回ってきたのだと言うにはあまりにも無残な結末を思い、複雑な表情を浮かべる英恵は、そこでふと思った。
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