143人が本棚に入れています
本棚に追加
“ハナコが実在の人物であり、彼女が呪いの元凶だということは間違いない。じゃあ、この呪いの連鎖はどうしたら止められる?”
ハナコの短くも悲しい生涯と、彼女が持つ恨みは理解できたとはいえ、これでは呪いを解く鍵には程遠いような気がした。
「ねえ。結局、ハナコは自分を貶し、傷つけた人達を懲らしめ、復讐したってことよね?それなら成仏したんじゃないの?」
男子二人も「そうだよな」「確かに」と頷いたのだが、この発言によって長屋だけは顔を奇妙に歪ませた。
「本気でそう思う?」
「え?」
嘲笑……いや、冷笑を浮かべ鼻で笑う長屋の態度に、不満げな声を出して睨むと、それを受けて彼女は更に呆れた様に続けた。
「人が人を殺すことは犯罪。つまりは「悪」でしょう? それは死んだ者も同じこと。自分を虐めた者を恨み、殺した彼女の魂は黒く染まって成仏なんて出来るわけないじゃない」
「それじゃあ、ハナコは……」
「悪霊になったのよ」
「はあっ?」
「なんでそう言い切れるんだよっ!」
最初のコメントを投稿しよう!