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今現在、自分達の周りで起きている不可解且つ、凄惨な事件を思えば、長屋の言う通りなのだが、相手が実体のないものではどうすることも出来ないという恐怖から、理解していても否定したくなるのが人というもの。
三人は一斉に長屋を責めるように声を荒げたが、彼女は澄ました顔をして、「だって、そうでしょう? じゃなかったら今のこの状態をどう説明するの?」と、痛いところをついてきた。
「でも、そのハナコちゃんの事件ってかなり前の話でしょ? だったら何で今更……」
「最初はハナコのお母さんが、娘の死を悔やみ、娘のことを死に追いやったクラスメイト達を憎んで、ハナコのことを一生忘れさせないように生き残った彼らの携帯にメールを送ったの――あのチェーンメールを作ってね」
衝撃的な事実に固まる一同。
だとしても、それとハナコが悪霊になったこととどう繋がるというのか?
「それだとハナコの母親が呪いの原因ってことになるんじゃねぇの?」
三人が同時に思った疑問を康太が口にした。
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