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「ハナコの母が送ったチェーンメールは転送しようがしまいが、誰も呪いなんてかからなかった。でもね……小学生に限らず、自分のところにきた変なメールなんかを面白がって見せたり、話したりする人っているでしょう?」
英恵の顔を真っ直ぐに見た長屋が、何を言いたいのかが分かった英恵は、彼女が自分と実夕のことを責めているのだと察知し、言いようのない罪悪感から目を逸らした。
「でも、俺らはハナコの夢すら見てないんだから、英恵がスマホの画面を見せたぐらい、関係ないだろ?」
咄嗟に英恵を庇った康太の言葉に、今度は長屋が目を見開いた。
「伊瀬知君、ハナコに呪われたんじゃ……え? じゃあまだ聞いてないの?」
驚きの声をあげた長屋に食いついたのが瑛士だった。
「聞いてないって、何をだよっ」
「ハナコのチェーンメールよっ!」
「は?」
「え?」
「ふぁ?」
ここにいる全員がハナコのチェーンメールの内容を知っている。
なんなら、この女が送ったんじゃないかと非難めいた目で見ると、彼女は「三野宮さん、まだ私からのメール残ってる?」と言った。
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