143人が本棚に入れています
本棚に追加
英恵は頷くと、スマホをポケットから取り出し、操作すると、この事件の始まりでもある長屋からのメールを画面に表示した。
「それ読んでみて」
「は? 嫌よ。コレのせいでおかしなことになってるんだから」
拒絶する英恵に、「いいから読めって言ってるでしょっ! 大丈夫よ。私は呪いの解き方を知っているんだし、貴女だって知ってるんでしょ? 私が伊瀬知君のことを好きだって。流石に好きな人を危険な目に遇わせたりはしないわよ」と長屋が言った。
彼女の目は真剣で嘘をついているようには思えない。
それでも大切な恋人や友人に危害が及ぶようなことは出来ないと思い、渋る英恵に康太が「大丈夫。ここは長屋を信じよう」と優しく諭した。
半信半疑で恐る恐るチェーンメールの内容を口にする英恵。
それを黙って最後まで聞き続ける三人。
全て読み終えた後で長屋が「この中で“おかしな”部分があったでしょう?」と言った。
聞いていただけの康太や瑛士は勿論のこと、読んでいた英恵すら気が付いていない。
キョトンと小首を傾げる彼女達に、長屋は「しっかりとチェーンメールを見て」と言った。
最初のコメントを投稿しよう!