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「へぇ~……チェーンメールねぇ。そんなの信じる人もいるんだね」
「まあ、変わった子だからね。しかも長屋さん。教室を飛び出した後、結局戻ってこなかったから、先生どちゃくそ怒ってたわ」
「そら怒るわ」
「鞄も置きっぱなしでどっかへ行っちゃったから、いつも一緒にいる大橋さんって子が、課題プリントと一緒に鞄を家まで届けてあげるらしいよ」
「なにそれ。超迷惑な話じゃん」
話ながら歩いていると、時間が過ぎるのもあっという間。
大通りから道を逸れ、車は一方通行になる狭い路地に入ると、一気に静かになり、二人の話し声がやけに響いた。
気が付くと、あと少しで玲は右へ。
昌は左へと曲がる分かれ道に差し掛かるところで、電信柱の後ろに小さな影があることに気が付いた。
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