143人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ
165cmと、女子の中では身長がある英恵よりも更に頭一つ分背の高い彼は、彼女の手首を掴んだまま、その手の中にあるスマホの画面を覗き込んだ。
髪の毛を明るく染め、制服を着崩した、いかにもチャラそうな見た目に反し、おっとりとした口調と温和な性格なのだが、その表情が徐々に険しくなる。
「よ、読まない方が……」
横から長屋が顔を真っ青にさせると、「へぇ~……」と低い声を出した。
いつの間にか英恵を背中から包みこむようにして、スマホを掲げる彼女の手を両手で包み込む康太は内容を確認すると、大きな溜息をついた。
「読まない方がいいモンをコイツに送ったんかよ?」
ギュッと自分の彼女の腰を抱き寄せた康太は、色のない目で長屋を睨みつけた。
最初のコメントを投稿しよう!