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「あ……えっと……」
目を左右に彷徨わせ、しどろもどろになる彼女の態度からは、ばつの悪さが感じられる。
迷惑行為をしたということは彼女自身も理解している様子。
多分、彼女もたいして仲良くのない相手からチェーンメールを受け取ったのだろう。
悪戯だと頭では理解していても、オカルトや心理現象といった類は目に視えないからこそ、不安になるし、恐怖も増殖する。
たった一人でもいい。
誰かにこのメールを転送するだけで何も起こらないことが確定するのなら、適当な相手に送ってしまえば済むこと。
送られた相手も、自分に呪いが降りかかることを恐れるのなら誰か一人に送ればいいのだから。
そんな安直な考えで、オカルト系のチェーンメールなんて何とも思わなさそうな――むしろ、笑って話のネタにするような人種の英恵に送ったのだろう。
つまりは、英恵の予想は半分当たりだったというわけだ。
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