第2話|小説を書くって奥が深かった

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 女性はまず好きな人ではないと、触ることも触られることも嫌だし、酷い時は一緒の空間にいることでさえ気持ち悪くなる。 『痴漢』をするのが圧倒的に男性が多いのも、そもそも『触られて吐きそうなくらい気持ち悪い』という感覚がないのだと有羽は言った。 「そっかあ。じゃあ、好きじゃなくても抱けるってことは、シュウも私に対してそうだとしてもおかしくないよね」 「おっと!いきなりそんな深い話しちゃう?」  有羽はおどけてそんなことを言ったが、すぐに困ったような悲しそうな顔をして私を真っ直ぐに見つめた。 「あのね、シュウのことに関しては推測なら話せるよ。里紗の相談にものるし、必要なら里紗にとって厳しいことでも言う。でも、シュウの気持ちはシュウに聞かないと本当のことはわからないよ?勘違いで自己完結したり我慢ばかりするのは、良くないと思ってる。……里紗はね、もう少し自分を大切にして欲しいな」 「大切にしてないかな?」 「ちょっと雑だよね。「まあいいや」って妥協すること多いでしょ?それがなければ、さっきみたいなシュウが自分を好きでもないのに、なんてこと言わないもん」
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