6人が本棚に入れています
本棚に追加
女性はまず好きな人ではないと、触ることも触られることも嫌だし、酷い時は一緒の空間にいることでさえ気持ち悪くなる。
『痴漢』をするのが圧倒的に男性が多いのも、そもそも『触られて吐きそうなくらい気持ち悪い』という感覚がないのだと有羽は言った。
「そっかあ。じゃあ、好きじゃなくても抱けるってことは、シュウも私に対してそうだとしてもおかしくないよね」
「おっと!いきなりそんな深い話しちゃう?」
有羽はおどけてそんなことを言ったが、すぐに困ったような悲しそうな顔をして私を真っ直ぐに見つめた。
「あのね、シュウのことに関しては推測なら話せるよ。里紗の相談にものるし、必要なら里紗にとって厳しいことでも言う。でも、シュウの気持ちはシュウに聞かないと本当のことはわからないよ?勘違いで自己完結したり我慢ばかりするのは、良くないと思ってる。……里紗はね、もう少し自分を大切にして欲しいな」
「大切にしてないかな?」
「ちょっと雑だよね。「まあいいや」って妥協すること多いでしょ?それがなければ、さっきみたいなシュウが自分を好きでもないのに、なんてこと言わないもん」
最初のコメントを投稿しよう!