第2話|小説を書くって奥が深かった

4/7
前へ
/28ページ
次へ
「ほら、ヒロインの子、有羽に似てるじゃない?なんかさ、シュウが有羽に手を出そうとするのもこんな感じなのかな?って」 「ヒロインは私の考えの一部を代弁してるようなものだからね……って言っても、あんまり似てないよ?それに、この主人公はヒロインのこと好きになるけど、シュウの私に対する態度は好きだからじゃないし」  その突然の告白に、一瞬目眩がした。有羽の顔を訝しげに見つめて、それを否定する。 「は?え、いやいやいや。好きだからでしょ?」 「いやいやいや。好きなら手なんか出してこないよ。っていうか、それだと困るの里紗(りさ)でしょ」 「そりゃそうだけど……え?どゆこと?好きじゃないのに手出すって」 「んー、だからそれはさ、男の人と女の人とでは根本的に性質が違うんだよ。感情的なこととか諸々抜きにして、男の人なら誰とでもエロいことできるか?って言ったら『できる』だもん」 「好きじゃなくてもできるの!?」 「単純にできるかできないかで言ったらだよ?──って、この話続ける?」  有羽は笑いながら彩ちゃんをちらりと見た。あ……そうか、彩ちゃんはこの手の話が苦手だった。 「私は聞いてる分には平気よ。自分のことを話せって言われたら遠慮するけど」 「じゃあ」と彩ちゃんに甘えることにして、私は話を続ける。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加