遺書

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 言いたいことはある。伝えたいこともある。だけども、それがどうしてもうまく他人様に伝えられない。  私は悲しかった。悔しかった。私に注意をした人ではない。私自身が嫌いでした。自分自身に嫌悪感を抱きました。  タイミングを見計らって、自己主張をする。  当たり前のことではありませんか。たったそれだけのことです。ですが、ただそれだけのことが私にはとても困難だった。  主張の仕方も下手だった。自己主張のタイミングが下手糞なだけではなく、主張をし始めると今度はとにかくひたすらに主張を始める。  そんなことだから、 「もっと人の意見を聞け」 「誰もそこまで聞いてない」 「自分のことばかり」  と、次々に批判されるのです。  私は反省しました。そこで、今度はもうとにかく、むっつりと押し黙ることにしたのです。  人から意見を求められても、なにも言わない。笑ってうなずく。すべてをハイと答える。異議なしと発言する。  そうすると、うまくいかないもので、 「イエスマンだ」 「少しは意見を言え」 「いざというとき、責任逃れをするためだろう」  と、それはそれで人々から批判されました。     
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