見知らぬ場所

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
さて、ここからどうしようか。 そう考えた。 見つけたものは動かせそうにないエレベーターと、認証式の扉、そして少々不気味な自分のらしき社員証。 正直俺はさっさと家に帰って、引きこもっていたい。何もせず、ダラダラと過ごしていたい。 しかし、ここからでない限りはそんなことも出来ない。 出れると思わしき所は2つ。エレベーターと扉。 しかしエレベーターはどうやって動かせば良いのかわからない。 となると使えそうなものは、認証式の扉。 そこが出口に繋がっているとは考え難いが、ここでじっとしているよりかは、なにかアクションをとった方が良いだろう。 しかし、認証式となると、なにか認証に使えるようなものが必要だ。 …もし使えるとするならば… 俺はカウンターに行き、カードを取った。 そして、恐る恐る扉にカードを近づけてみる。 すると、無音で扉が開いた。 正直、賭けみたいな所はあったので、開いたことに驚いた。 どうしてこんなカードで開いたのだろう… 本当に俺はここの社員にいつなったのだろうか… と考えるが、情報が少なすぎてよくわからない。 とりあえず、考えるのは辞めにしておこう。正直ここで考えて答えが出るとは到底思わない。 少々怖いが、扉の先に行こうと、1歩踏み出した。 さっさとここを出て家に帰る、それだけを考えるようにして。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!