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「……。加瀬くん、今、確認したでしょ。」
「ん。」
「ひどいなあ、2人して。」
「2人?」
「梨奈も私より、誰かさんの名前を……」
ちょ…さつき、何言って……。
「ごめん。女子の名前は見てなくて。」
「もー、男女平等にしてよ。」
「いや、そういう事じゃないし。」
「森島さん、面白いなー。俺、長谷部 真也(ハセベ シンヤ)。
俺も同じクラスだから、よろしくな。」
「こちらこそ。」
長谷部くんが、私の方に向き直って言った。
「広崎さんも、よろしく。」
私は引きつった笑顔を見せて、「よろしく」と小さく返事した。
加瀬くんは何か言いたげに、じっと私を見ていたが、そのまま何も言わずに長谷部くんと行ってしまった。
……あ…嫌われちゃった…かな……。
自分が話しかけても返事一つ返さない私が、長谷部くんには、ぎこちないながらも笑顔で返事したから……。
加瀬くん、私のこと「感じ悪い奴」て思ったかもしれない……。
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