第4章

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* * * ……う…そ…私、今、抱き締められて……。 この状況に、頭がついていかない。 さっきまでは、繋がれた手の指先から彼の熱が伝わっていたが、 抱き締められている今は、背中に回された腕からも、私の顔を押し当てている胸からも、 彼の熱が、体中から伝わってくる 『アヤカ、俺さ……』 胸に顔を当てているので、彼の声が直接響いてくる。 『アヤカが好きなんだ。』 ドク、ドクという彼の鼓動が、少し早まったように感じる。 『ずっと、好きだった。アヤカには、あいつがいるって分かってても……』 ……え?あいつ、て……。 * * * うーー、気になる。 あいつって、誰のことなんだろう。 恋助さんの小説を読んでいた私は、思わず携帯を持つ手をぎゅっと握り締めた。
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