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「梨奈ちゃん、いい?」
三浦くんの無敵のウルウル目に負けずに、私は言った。
「ごめんね、三浦くん。私もあげられない。」
「え?梨奈ちゃん、彼氏いるの?」
目を丸くして尋ねる三浦くんに、さつきが、すかさずフォローを入れてくれた。
「別に男子にあげるとは限らないの。梨奈は私にくれるんだよねー。」
「えー、そうなんだ梨奈ちゃん。」
「…うん。まあ…」
「そっかあ。それじゃ翔子先輩か、知香ちゃんにもらおうっと。」
「……」
…三浦くん…他にもピザをもらうターゲットがいるんだ…。
しかも、1人じゃないし…。
けろっとした顔で話す三浦くんに、長谷部くんが尊敬の念を込めて言った。
「…三浦…お前って、すごいな。」
「ん?何の事?」
三浦くんは、何事もなかったように、にこにこと微笑んでいた。
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