第9章

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「梨奈ちゃん、いい?」 三浦くんの無敵のウルウル目に負けずに、私は言った。 「ごめんね、三浦くん。私もあげられない。」 「え?梨奈ちゃん、彼氏いるの?」 目を丸くして尋ねる三浦くんに、さつきが、すかさずフォローを入れてくれた。 「別に男子にあげるとは限らないの。梨奈は私にくれるんだよねー。」 「えー、そうなんだ梨奈ちゃん。」 「…うん。まあ…」 「そっかあ。それじゃ翔子先輩か、知香ちゃんにもらおうっと。」 「……」 …三浦くん…他にもピザをもらうターゲットがいるんだ…。 しかも、1人じゃないし…。 けろっとした顔で話す三浦くんに、長谷部くんが尊敬の念を込めて言った。 「…三浦…お前って、すごいな。」 「ん?何の事?」 三浦くんは、何事もなかったように、にこにこと微笑んでいた。 *
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