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「嫌なんじゃなくて…その…少し驚いただけで…」
「…うん…」
「ありがとう。」
「…うん…」
「この前くれたカップケーキも、おいしかった。」
「ほんとに?良かった。」
優しい言葉に、キュン、と胸の奥が疼く。
加瀬くんは、少し照れたような表情を浮かべて話し始める。
「広崎が作ったの、また食べたいな、て思ってたけど…、
森島にあげるって言ってただろ?
だから今回は貰えないかな、て思ってたんだ。でも…」
「……」
「本当は食べたかった。広崎の手作りのピザ。」
「…っ…」
「…あのさ…三浦に断ったのは…俺にくれようと思ってたから?」
「…うん…加瀬くん、カップケーキの時も喜んでくれたし…また加瀬くんに貰って欲しいな、て思ってたから…」
「……」
加瀬くんは、ポリと鼻の頭を掻いて言った。
「…それ…嬉しすぎ…」
「…あ…えっと…」
「ほんと、メチャメチャ嬉しい。」
「……」
「楽しみだな。」
ほわっと心が、温かくなる。
加瀬くんが、私が作る物を楽しみにしてくれている。
それだけで私は、嬉しくて幸せな気持ちになった。
「三浦に取られそうだから、見つからないにしよう。」
加瀬くんは、照れ臭そうに笑った。
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