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「梨奈ちゃん。」
お昼休みに、同じクッキングクラブの桃子ちゃんが、プリントを片手に持って教室に入ってきた。
「これ、今度のメニューとレシピ。」
先週私が休んだ時に決まった、次に作るメニューのレシピや材料が書かれた紙を、持ってきてくれたのだ。
私がプリントを受け取ると、さつきが覗き込んできた。
「わあ、ピザなんて作るんだ。すごい。」
「うん。生地から作るから、当日はお昼休みに、生地の材料を混ぜてこねたりするとこまで、やっておくことになると思う。」
「あーそっか。生地を寝かせなきゃ、だもんね。」
「うん。それで材料の分担なんだけど、梨奈ちゃんはコーンの缶詰を持ってきてくれる?」
「分かった。桃子ちゃん、わざわざありがとう。」
傍にいた長谷部くんと加瀬くんが、会話に入ってくる。
「ピザなんて作れるんだ。」
「生地から作るなんて、本格的だな。」
いつもにも増してカチカチの私と違って、加瀬くんの様子はいつもと変わらないように見える。
私は加瀬くんが、帰りにどんな話をするのか気になって仕方ないのに…。
「あのさ、あれやるの?ほら、ピザの生地を上に高く投げて、生地を伸ばすやつ。」
長谷部くんが手を上にあげて、真似をしてみせる。
「ううん。もっと小さいサイズのピザを何枚か作るから、めん棒で伸ばすだけ。」
桃子ちゃんが答えると、横からヒョイと三浦くんが顔を出してきた。
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