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……まだ、ドキドキしてる。
駅まで送ってくれた加瀬くんと別れてから、もう数時間経つのに、私の胸の鼓動は落ち着きを取り戻してくれない。
ううん、違う。
私の心が、落ち着いてくれないのだ。
加瀬くんが、私のことを好きだと言ってくれた。
『俺の彼女になってくれる?』
はっきりとした言葉もくれた。
包み込むように、ぎゅっと抱き締めてくれた。
おでこへのキスを思い出すだけで、火がついたように赤くなってしまう。
それから……手…。
私は自分の手を、ぎゅっと抱き締めた。
帰り道、加瀬くんと私はずっと手を繋いでいた。
繋いだ手から、お互いに好きな気持ちが伝わってくるようで、たまに訪れる沈黙も全く気にならなかった。
駅に着くと加瀬くんは、名残惜しそうに手を離して言った。
「もう着いちゃったな。」
その言葉が嬉しくて、くすぐったくって、私は自然に顔をほころばせた。
あまりにも心が満たされた、甘い時間を過ごしてきたので、あれは現実だったのだろうかとさえ、思えてくる。
ずっとずっと好きだった加瀬くんに、思いが通じて、澄んだ瞳で見つめられて……夢みたい……。
夢心地の私に、
さっきまでの事は夢ではなく現実だと教えてくれるかのように、
加瀬くんからメールが届いた。
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