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僕が、動かないようにしていたら、諦めて子猫はどこかへ行くのではないか。
そうだよ、遊んでもらっていると思っているのかもしれない。
しばらく、ここで休んでいよう。
子猫がいなくなったら、家へ帰ろう。
※※※※
だが、考えが甘かった。
子猫は、眠ってしまった。
逆にチャンス。
このまま帰ろう。
そっと、起こさないように歩き出す。
エッ?
何故だ。
目を覚ました。
また着いてくる。
まいった。
同じ事を、僕は繰り返すことになる。
その時、「連れて帰ってください。」
声の方を見ると、神主さんだろうか、箒を手にした人が、僕に言った。
さっきまで、誰もいなかったはずなのに。
「でも、ここの子でではないのですか。」
とっさにそう思った。
ここで飼われているのだと。
だから、人懐こいのか。
※※※※
箒を手にしたその人は、やさしい声で僕に言った。
「あなたが連れてきた猫ですから。」
?
この人は、何か勘違いをしているようだ。
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