第一章出会い

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僕が、動かないようにしていたら、諦めて子猫はどこかへ行くのではないか。 そうだよ、遊んでもらっていると思っているのかもしれない。 しばらく、ここで休んでいよう。 子猫がいなくなったら、家へ帰ろう。 ※※※※ だが、考えが甘かった。 子猫は、眠ってしまった。 逆にチャンス。 このまま帰ろう。 そっと、起こさないように歩き出す。 エッ? 何故だ。 目を覚ました。 また着いてくる。 まいった。 同じ事を、僕は繰り返すことになる。 その時、「連れて帰ってください。」 声の方を見ると、神主さんだろうか、箒を手にした人が、僕に言った。 さっきまで、誰もいなかったはずなのに。 「でも、ここの子でではないのですか。」 とっさにそう思った。 ここで飼われているのだと。 だから、人懐こいのか。 ※※※※ 箒を手にしたその人は、やさしい声で僕に言った。 「あなたが連れてきた猫ですから。」 ? この人は、何か勘違いをしているようだ。
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